老舗蔵元「篠崎」:「M&M」と提携、米国進出
独自戦略で販路開拓を
2008年11月22日
江戸時代後期に創業、200年の伝統を誇る老舗蔵元「篠崎」(本社福
岡県朝倉市、篠崎博之社長)が今年9月、念願の米国進出を果たした。米
国総輸入元で東洋食と食品原材料を扱う「M&Mエンタープライズ」(本
社トーレンス、宮里勝吉社長)と手を組み、独自の戦略で地酒「国菊(く
にぎく)」の販路開拓に努める。
篠崎は30年ほど前から焼酎を主力にし、近年のブームにも乗って現在
では総生産の7割を占めるまでに業績を上げている。次の甘酒が2割、清
酒はわずか1割に留まっている。高級地酒の伸び悩みは、値が張るため景
気後退のあおりを受けたとされている。しかし、同社総務部課長・山下修
司さんはそれだけが原因とは限らないと主張する。
地酒の低迷の原因を「酒蔵は手間ひま掛けて作っているので、いいと信
じ込んだ酒を売ってきた。販売もさほど努力しなかった」と説明。反省を
生かし米進出の2、3年前から市場調査を進め、消費者の嗜好など研究に
努めてきた。大小の試飲会にも出品、試飲者の受けはよく「明るく、まだ
まだ伸びる市場」と手応えを感じている。
「技術には自信があるという」という山下さんは杜氏を務めたことがあ
り、「経験を生かしたい」と抱負を述べる。レストランと地酒に合うメニ
ュー作りも行い、カクテル風の「SOJU」の開発にも意欲的だ。
品質に気を配り、輸送は冷蔵車を使用する徹底ぶり。啓蒙するのではな
く、客から学ぶことを心掛け「押し付けず、喜ばれて愛される酒」の販売
を目指す。
品評会に積極的に出品し、実績作りに努めてきた。名だたる有名地酒を
抑え数々の国際コンクールで金賞を受賞している。販売は大吟醸と純米吟
醸のみで、米でのブランドは海外で名を上げた「KUNIGIKU」に一
本化する。
日本では老舗だがこちらでは後発。すしや割烹、居酒屋など和食店にも
売り込むが、大手日系代理店との競合を極力避ける。外食産業では米系フ
ランチャイズのファンシーなレストランに絞り、人種を問わず全米国人を
ターゲットにする。
M&Mの宮里社長は、米ワイン市場で日本酒(ライスワイン)の占める
割合を「1パーセントにしか過ぎない」と強調。「残りの99パーセント
に無限の可能性が秘められている」と力を込め、士気を鼓舞している。
国菊は日系スーパーマーケットでは、マルカイ・ガーデナ本店で販売さ
れている。七二〇ミリリットル入りで大吟醸が69ドル、純米吟醸が39
ドル。
国菊の詳細は宮里さんまで、電話310・212・6661。
Eメール—
kats.miyazato@sbcglobal.net
(永田潤)
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