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米国すし調理師学校:
日系2社が共同で設立
「食文化を正しく伝える」


2008年8月13日

 質の高いすし職人養成を目指し設立した「米国すし調理師学校(Sushi
Institute of America)」は4日、小東京の同校で記者会見を開き9月中
旬に開校することを発表。学校設立の趣旨や運営方針を説明した。

 同校は日本食総合卸業者「共同貿易」(本社ロサンゼルス、金井紀年社
長)とロサンゼルスに6店舗を展開する和食店「KATSUYA」(上地
勝也会長)が調理師専門学校開校を目的に共同出資し、株式化した新会社
が運営する。両社の出資比率は対等で、設立者の金井氏が会長に就任、K
ATSUYAの総料理長でもある上地氏が校長と主任講師を兼務する。

 設立の趣旨は「日本の食文化を正しく伝えるため」で、質の高いすし職
人の養成を目指す。農水省の調べでは、米国に和食店は1万軒を超す。今
も広がりを見せるがその8割以上が日本人以外の経営者だといい、日本の
食文化を理解せず儲け主義で和食ブームに便乗した者も出店している。さ
らに、食品衛生に関して正しい知識を持たず、技量も未熟な料理人を板場
に立たせているのも問題だ。

 こういった現状に「和食の将来が危ないと感じた」という金井氏は、
「すしは和食の顔」と力を込める。なま魚を扱うすしだけに安全性と食文
化を守る観点からも、優秀な職人育成の必要性を説いた。

 数ある日本食の中で「すし」に絞った理由について金井氏は、米国の和
食店がすしに支えられて発展した経緯を紹介し、「これからもその流れは
続く」と力説。小東京に設立したのは、自身が40数年前に江戸前ずしを
米国で初めて紹介した地であり、「すしのメッカで」という思いも込めら
れている。

 授業は週5日の1日4時間で、午前部と夜間部が選べる。基本コース2
カ月が3000ドル、上級コースが1カ月2000ドル。修了後は、KA
TSUYAで1週間の実習がある。定員は20人。内容は、「まずは基本
から」と伝統的なすしのみを教え、流行の創作すしなどはない。上地氏は
「すしのほか、煮物、焼き物、揚げ物、汁物、和え物など基本的な和食も
教えたい」と意欲を示す。

 講師陣はすべて日本人で、KATSUYAから専任講師2人を派遣する
ほか、ともにすし店店主として成功を収めた小東京の「鮨元」の豊島年昭
氏とノースリッジで昨年閉店した「ハタノレストラン」の波多野勲氏を特
別講師に迎える。

 金井氏によると、すしを教える調理師学校はロサンゼルス地区に10校
あるという。小東京には日系経営の1校があるが、金井氏は他校について
「利潤のための競合ではなく、人材を育てる点で競り合って日本食文化の
発展につながれば」と希望している。

 上地氏は、大阪にある名門の調理師学校を卒業した。そこで自身の礎を
築いたというだけに、前々から当地での学校設立を考えていた。そこに、
金井氏から話を持ちかけられ、両者は日本食に対する一途な思いを語り合
い意気投合。「最高のビジネスパートナーを見つけた」と口を揃え、学校
で儲けるつもりはないことを強調し「純粋な気持ちでいい人材を育てた
い」と抱負を語る。

 Sushi Institute of America
 843 E. 4th St. Los Angeles, CA 90013
 電話213・617・8090。
 www.myspace.com/sushischool
(永田潤)

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