全米日系人博物館:
「Living Flowers」展
生け花と現代美術を融合
池坊、小原、草月:
3大流派とイサム・ノグチらの大作一堂に
2008年7月3日

ユリを使用した華やかな作品(小原)

赤いアンスリウムが印象的な作品(池坊)
全米日系人博物館では、6月15日から「Living Flowers: Ikebana and
Contemporary Art」(生け花と現代美術)と題した展覧会が始まり、こ
れに先立ちこのほど、オープニングレセプションが行われた。
レセプションには、伊原純一在ロサンゼルス日本国総領事や、生け花各
流派の教授、一般招待客らが出席。あいさつに立ったキャレン・ヒガ学芸
員は、このたびの展覧会を「単なる『生け花と美術作品の展覧会』として
企画したのではなく、生け花と現代美術がいかに近く、また、影響し合っ
ているのかを表現したかった」と語り、「数年前から準備してきた企画が
皆さんの多大なる協力により実現し、とても嬉しく思います」と述べ、会
場から大きな拍手を受けた。
今回の見どころは、日本の伝統美「生け花」と、彫刻や絵画、写真など
の「現代美術」との融合。日本華道の3大流派(池坊、小原、草月)の生
け花と、イサム・ ノグチ、アンディー・ウォーホル、ロバート・メイプ
ルソープら現代美術を代表する20人の芸術家の作品が共同展示されてい
る。
また、今回の会場デザインは、建築家のフランク・エッシャー氏とラ
ビ・グンワーデナ氏が手掛け、日本の床の間を想像させるようなデザイン
や、特殊な建築素材などが使用され、生け花や、芸術作品の魅力を一層引
き出している。日本の歴史、文化、様式などをリサーチし、今回に備えた
というエッシャー氏と、自らも草月流の生け花を習っているというグンワ
ーデナ氏。2人は、「興味深い試みだった。この経験を今後の建築に生か
したい」と意欲的に語った。
生け花の教授らも、現代美術との融合を目指した今回の展示を、博物館
の制約(「生花を置ける場所が限られている」など)を生かしつつ、存分
に楽しんでいた。
また、花は鮮度が命。展示期間中は、毎週新しい生花が3流派の代表者
により生けられるので、観客は毎週違った楽しみを味わうことが出来るだ
ろう。
展覧会は9月7日まで。詳細は、電話213・625・0414。
ホームページ―
www.janm.org/django/exhibits/livingflowers/
▽華道
日本華道の歴史は古く、室町時代に始まった。
池坊 日本最古の流派で、祖は天台宗頂法寺の僧、池坊専慶。専慶は連
歌師としても有名であったが、花を生けることを特に好み、新しい手法の
花を生けた。それが後の立花の基礎となる。
小原 小原流の祖は、池坊の要職にあった小原雲心。雲心は盛花や洋花
を取り入れ、生け花を大衆化したことで有名。また、二代目の光雲は花教
授の職を女性にも開放するなど、生け花の近代化に努めた。
草月 流祖は勅使河原蒼風。草月流の生け花の特色は、生けた人の主観
がより強く表現されるところにある。花材には枯れ枝や石、金属なども使
用され、より造形的な生け方が特色。(塩屋あずさ、写真も)
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