加州議会:刑務所新設へ61億ドル
過密問題の即時解消図る
2007年4月28日
カリフォルニア州上下両院は26日、州の刑務所超過密問題を解消する
ため、総額61億ドルをかけた新刑務所建設とベッド数増設の緊急法案を
可決した。法案は、前日の25日、議会とシュワルツェネッガー知事との
合意を踏まえ両院に提出されたもので、今後知事の署名を経て即施行とな
る。AP電などが伝えた。
法案は、知事が昨年緊急事態宣言を発令し実施した加州の囚人を他州へ
移送させる案を引き続き有効としたうえで、総額61億ドルをかけ、既存
および新刑務所に計5万3千ベッドを新設、各種教育サービス、職業訓練
支援、リハビリプログラムなどを充実するというもの。また地方自治体か
らの追加12億ドルにより、各郡刑務所内にも計1万3千ベッドを新設す
る。これにより、州および郡刑務所の深刻な過密を軽減できると同時に、
10人に7人の囚人が再び犯罪を犯し刑務所に再収容される悪循環の根絶
を目指す。
囚人の教育およびリハビリプログラムの充実を訴える民主党議員、凶悪
犯の刑期満了を訴える共和党議員はともに、同案施行は過密緩和のみなら
ず、2012年までに19万人を突破すると予想される囚人人口増加にも
対応できるとして内容に満足している。
知事と議員らが緊急法案を提出した背景には、連邦裁判所により定めら
れた過密問題解消期日が迫っていたことが上げられる。連邦裁判事は昨年
12月、10万人の収容スペースに対し17万2千人の囚人を収容し、非
人道的な状態が続く加州刑務所システムの問題に厳格対処。6月までにシ
ステム改善への具体案提出を指示し、順守されなかった場合、囚人の早期
釈放および州刑務所へ移送されるべき受刑者の郡刑務所移送などを示唆し
ていた。
刑務所過密問題をめぐっては、スペース不足から廊下やジムなどで寝起
きを強いられている囚人による集団代表訴訟が起こされたほか、「囚人を
他州へ移送することは州法に違反する」として、刑務所内で勤務する監視
官労働組合が移送の差し止めを求め連邦地裁に提訴した経緯などがあり、
さまざまな論議が繰り広げられていた。(中村)
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