鹿児島に生まれた自身の人生を振り返った。中学受験に失敗、肺結核を
患い、志望大学の医学部に入学できなかった。一流会社には受け入れられ
ず、倒産寸前の会社に就職。社会の無情を「ファインセラミック」の研究
にぶつけた。世間の憂さから放たれ、没頭した研究は成功が成功を呼び、
運命は好転。田舎に育った平凡な青年が、巨大企業に育った京セラと第2
電電(現KDDI)を作ることができたのは、因果の法則に沿って生きて
きたからだと力を込めながら、「人生は常に明るく前向きに、よいことを
思い、実行するならば好転する」と助言した。
バブル期で栄誉・栄華を極めたが、多くの経営者がその後没落。景気後
退を政府に責めた経営者のごう慢さを指摘した上で、災難に遭っても、
「人や世を恨まず、まじめに感謝の気持ちを持ち努力すること」と訴え
た。また、違法な株式取引で告発され、世間を騒がせた大会社の2社長の
経営も非難した。
人生の目的については、京セラを育て上げたことなどがそれなのかと、
自問する一方で、「心を磨くことで人格を高め、思いやりのある心を養
い、愛と真(まこと)の調和の取れた魂を作ることこそ、生きて行く目
的」と主張。「心を高め、経営を伸ばすことを座標軸の中心に置いてくだ
さい」と塾生に呼び掛けた。
講演は平日午後の開催にもかかわらず満員で、内容は自著の中で述べら
れたものも含まれていたが、「実際に聴くと説得力がある」などの声が多
く聞かれ、塾生と一般参加者の心を打った。
盛和塾は1983年、稲盛氏から人生や経営哲学を学ぼうと、京都の若
手経営者らが集まり開いた自主勉強会が始まり。稲盛氏は「人としての生
き方(人生哲学)」「経営者としての心の持ち方(経営哲学)」を伝授す
る。学ぼうとする塾生と、それに答えようとする塾長とが「交流」し、次
世代のリーダーを育成する。今なお多くの入塾希望者が門をたたくという。
現在、海外5支部を含む57支部に約4千人の会員が学んでいる。米国
支部は2004年2月に発足し、現在、参加企業52社、会員数60人以
上の組織となっている。塾長講話ビデオによる勉強会や塾生同士の意見交
換などの活動を継続している。
詳細は電話310・351・9232。
ホームページ—
www.seiwajyukuusa.com
(潤、写真も) |