最初に「さまざまな支援に対して感謝にたえない」とあいさつした観周
氏。その後は自らの哲学を披瀝するように「自分の心の中にある『憩う
心』を大切に守り通さなければならない」と強調し、「その心の発展のた
めにどのように書道を活用するかが重要」と指摘した。しかし「そういう
深いものになってくると、己れ自身の積み重ねがいかに難しいかを認識せ
ざるを得ない」と述壊。今回の受賞を機にこれからも会の発展に努めると
ともに、「そうした難しさを乗り越えて、文化の内容を高めていきたい」
と、さらに書を究めることへの意欲を示した。
乾杯の音頭を取った共同貿易社長で同会顧問の金井紀年氏は「観周先生
のスピリットがここまで会を支えた。今回の受賞は、日米間の国際親善と
いう点でも尽力が認められた」と祝辞。また「先生から『幽玄』と書かれ
た掛け軸をもらい、オフィスに掛けている。日本の心の支えとして、精進
の糧にしている」と述べた。
祝辞は、日本ペンクラブ会員で、ドキュメンタリー作家の飯沼信子さ
ん、オレンジ郡日系協会の宮崎マック会長、南加県人会協議会の川口吉則
会長、南加日系商工会議所の若尾龍彦新会頭、サンケイ新聞ロサンゼルス
特派員の松尾理也氏、そして兒玉和夫総領事が述べた。
総領事は、海外在任が長い自らの経験を踏まえ「日本から離れている
と、自分は何者か、日本文化とは何かを突き詰める状況がある」と指
摘。「この地で長年にわたり書道や華道、茶道、日本舞踊などに携わ
り、その素晴らしさを伝えている人たちは、そのことを誇りにしていいと
思う」と述べ、「米国書道研究会の高円宮賞受賞は、まさにそうした努力
への評価」とたたえた。
祝舞として、坂東三津拡さんと坂東秀十美さんの2人が長唄「松の寿」
を披露。息の合った踊りで、会場を魅了した。また、草月流の北島蓉幸さ
んの大作が会場に華やかさを演出した。
贈賞式では、今回の産経書展で入賞した会員らに、生田博子主幹から賞
状が手渡された。受賞者を代表し、特選に輝いたシアトル支部の清水充さ
んが「カナダにもぜひ支部を」「観周会長はこれからも厳しい指導を」と
要請した。
観周氏はここ数年、体調が万全ではないが、この日は会が済んでから
も、参会者らからの祝福に笑顔で応えたり、米国書道研究会の会員らと一
緒に記念写真に納まるなど、元気な様子をみせていた。
(長島、写真も) |