JVP売却で:どうなる「小東京壁画」
2007年8月12日
日系社会の600人以上がかかわり作成した「小東京壁画」の存続が危
ぶまれている。壁画のあるジャパニーズ・ビレッジ・プラザ (JVP)
がこのほど売却され、現在新オーナーへの譲渡手続きが進んでおり、駐車
場を取り壊す可能性もあるためだ。構想から5年かけ「コミュニティーの
顔」として親しまれている壁画の運命はどうなるのか。
新しいオーナーはマリブに基盤を置く民間投資会社 「アメリカン・コ
マーシャル・エクイティ社」(ACE)。テナント料アップや立ち退きの
噂に不安を抱くJVPのテナントに対し、同社は7月に開催された小東京
協議会(LTCC)の月例会で今後の方針を話した。その中で同社は「次
世代に引き継ぐショッピングプラザにすべし」と強調、「やぐらは残す」
と言明。しかし、壁画について尋ねられると「移動させるかもしれない」
と、駐車場の建て直しを示唆する発言をした。
「小東京壁画」は高さ16フィート幅40フィートで、セントラル通り
に面したJVP駐車場の壁に掲げられている。日本語と英語で「小東京は
我々の心の故郷です」と書かれ、日系社会の歴史を物語るべく1950年
代の二世クイーンなど20のモチーフが描かれている。
壁画はリトル東京サービスセンター(LTSC)が音頭をとり、州の補
助金や個人の寄付など合計2万4千ドルを集め、2005年秋に完成させ
た「日系コミュニティーの象徴」でもある。
壁画作成当時からJVP売却の話はあったため、壁に直接描くのではな
く木板20枚を張り合わせたものを彩色し、取り外せるようにはしてい
た。壁画作りに携わった元LTSCスタッフのナンシー菊池さんは「JV
Pの駐車場の壁以外のオープンスペースというと、小東京内では思い浮か
ばない」と困り顔。担当するLTSCの鈴木貴雄さんも「いまの小東京に
は広い壁がないのは確か。もしも駐車場が取り壊されることになれば、新
オーナーと話し合って対処していきたい」と話す。
JVPは1978年にオープン、青い屋根瓦や日本風の建物など、小東
京の「顔」となるショッピングモールだが、近年は周辺の開発が進んでお
り、新世代のニーズにどのように対応するかが課題となっている。
(大西) |