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市のダウンゾーニングと闘う
LAの林さん
「勝手な条例変更許すな」
2006年5月17日

 「オレンジカウンティー・レジスター」(アナハイム・30万部)の社
説欄にロサンゼルス在住の林レオさん(75)が写真入りで大きく取り上
げられた。所有するブレア市内の土地に対し、市が突然、建設可能な家屋
の数を大幅に減らす「ダウンゾーニング」を計画中という内容。社説は林
さんを応援、「市による勝手な条例変更をやめさせるべき」と結び、地主
の所有権を無視した市の方針を批判。9日夜開かれた市のプランニング・
コミッションでは「法的な検討が必要」と、条例変更に対し慎重な構えを
みせており、今後の行方が注目されている。

林レオさん

 4月23日付「オレンジカウンティー・
レジスター」の社説欄に掲載された記事の見
出しは「ランド・ロックト(Land locked)」。
これは「内陸地」という意味と、「手のつけ
られない土地」の両方を意味するかけ言葉と
なっている。林さんは「日本式」にホウキを
逆さに持ち、市に対して「歓迎できない客」
の意思を表わしポーズ。記事を書いたのは同
紙論説委員のスティーブン・グリーンハット
さんで市のやり方を批判し、「オレゴン州で
は、つい最近、市条例の変更にともなう個人
の財産損害について市は慰謝料を払うべき、
と上級裁判所の判決が下っている。ワシント
ン州でも同様ケースが係争中」とし、「カリ
フォルニアでも改革すべき」と結んでいる。

自身が掲載された新聞を手にする林さん

 問題の土地はオレンジ郡、サンバナディーノ郡とロサンゼルス郡の郡境
にあるカーボン・キャニオンという地域。オレンジ郡とチノヒルズを結ぶ
州道142号に沿って広がる丘陵地帯で、用途は宅地。これまで一エー
カー当たり一軒の住宅建設が可能な地域とゾーニング指定されていた。
林さんが地主になったのは1970年代。友人らとこつこつ購入し、一時
は約700エーカーを所有していたこともある。今回ダウンゾーニングの
対象となったのは、そのうち未開発部分の300エーカーだ。

 同地域は100年以上前からアルカリ性の温泉が出る地域として知ら
れ、林さん自身も74年から2000年まで温泉宿泊施設「ラビダ・
ホット・スプリングス」を経営していた。「いずれは日本式の温泉郷コミ
ュニティーにしたかった」と夢を持ち、80年、90年にそれぞれ周辺開
発を試み、市に開発許可申請を出したが、いずれもインフレや開発業者の
倒産など経済的理由で、あきらめた経緯がある。

 林さんによると、5年ほど前から、同地域内にある300世帯ほどの
「オリンダ・ビレッジ」という地域の住民が「緑化保護」を訴え、これ以
上の開発をするな、と市に求めるようになった。こうした住民の動きを受
け、ブレア市は数年前から「ダウンゾーニング」のための条例変更の検討
を始めた。

 新たなゾーニング案によると、同地域は「急傾斜地域」のため、建設可
能な住宅数は300エーカー当たり15軒までに制限する、というもの。

 林さんは「これまで300軒住宅を建てられた土地が突然15軒にする
なんて無茶苦茶。95%のダウンゾーニングだ。これでは土地を『使う
な』ということ。市が緑化のために強制買収する、というのならわかる
が、宅地として課税し続け、地主の権利を束縛し住宅を建てられなくする
やり方はひどい」。

 林さんは40年以上アメリカに住み、不動産をめぐり多くの経験を積ん
でいるが、「ダウンゾーニング」は初めてでまさに「寝耳に水」だった、
という。カーボンキャニオンの地主は林さん以外に八人いるが、いずれも
面積が小さく、他のオーナーは過去3年以内の購入者ばかり。しかも全員
がアジア系移民で、英語の通訳が必要な人々。「市と闘う必要性につい
て、あまり実感していないようす」で、林さんは法律専門家と相談し
て、なんとか新条例成立を阻止したい、という。

 林さんによると、9日夜、行われた市のプランニング・コミッショ
ナーの公聴会には約50人が参加した。「条例変更反対派」は弁護士も含
め林さん側4人が意見陳述、一方、賛成意見は前ブレア市長も含めオリン
ダ・ビレッジの住民や緑化保護アクティビストら。約2時間の公聴会の結
果、5人のコミッショナーは全員一致で「法的な検討が必要」とし、その
場での決議を避け、来月、再度同じテーマをめぐりもう一度公聴会を開く
ことにした。

 もしもプラニング・コミッションを通過し、このダウンゾーニング案が
市議会で可決され条例として制定された場合、それを変えるためには連邦
裁判所で闘わなくてはならない。林さんは「費用も時間もかかり、大変な
ことになる。その前になんとかしたい」とし「同じような経験のある人ど
うし助け合うこともたいせつ。もっと情報のほしい人は連絡を」と話して
いる。電話は323・264・4490。(大西、写真も)

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